2009年9月22日火曜日

XP 最適化

ショートカット・ファイルのリンク先を探索する機能を停止させる

Windowsにはファイルのショートカットを作成し,オリジナルのファイル名を変更してもショートカットのリンク先を自動的に探すという機能が備わっているが,この機能はファイル名の変更を常に監視しており,システム・パフォーマンスを低下させている。この機能を停止するには,レジストリのキー HKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies \ExplorerにNoResolveTrackとNoResolveSearchの2つのDWORD値を作成し,値をそれぞれ1にする。


最近使ったファイルを記録する機能を停止する

Windowsでは最近使ったファイルの名前をレジストリに記録しているため,ファイルの監視によるシステム・パフォーマンスの低下と,レジストリの肥大化を引き起こす。この機能を停止するには,レジストリのキーHKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE\Microsoft \Windows\CurrentVersion\Policies\ExplorerにNoRecentDocsMenuというDWORD値を作成し,値を1にする。


ワトソン博士を無効化する


ワトソン博士とはシステムとアプリケーションの障害を監視し,記録するプログラムのこと。必要なければ,レジストリのキー HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\AeDebugにAutoというDWORD値を作成し,値を0にする。


日付と時刻の自動同期を停止する


定期的にインターネット上にあるタイムサーバーにアクセスして,コンピュータの時刻を正確な時刻に合わせる機能。必要なければ,コントロール・パネルの日付と時刻のプロパティから,インターネット時刻タブの自動的にインターネット時刻サーバーと同期するのチェックを外す。


別の場所からコンピュータを使う機能を無効化する

Windows XPには外部のネットワークからコンピュータを操作する機能が搭載されているが,その機能を使用していなくても若干システム・リソースを消費している。必要なければ,コントロール・パネル→システムのプロパティ→リモート・タブを辿り,このコンピュータからリモートアシスタントの招待を送信することを許可するとこのコンピュータにユーザがリモートで接続することを許可するのチェックを外す。


ユーザの簡易切り替えを無効化する


Windows XPではログオフせずにユーザを切り替える機能が備わっているが,その機能が若干システム・リソースを消費している。必要なければ,コントロール・パネル→ユーザアカウント→ユーザのログオンやログオフの方法を変更するを辿り,ユーザの簡易切り替えを使用するのチェックを外す。


電源を常にオンにする

Windowsでは電源設定によって一部の処理が変わるため,パフォーマンスの低下を招いていることがある。コントロール・パネル→電源オプション→電源設定タブを辿り,電源設定を常にオンに設定する。


大容量メモリのパフォーマンスを最適化する


Windows XPではメモリの使用方法を自動的に調整するが,コンピュータの使用形態やハードウェア特性に合わせた設定を行うことでパフォーマンスを改善できることがある。これらの設定は,レジストリのキーHKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control \SessionManager\MemoryManagementで行う。

物理メモリの容量が512MB以上なら,カーネルに割り当てるメモリ領域を物理メモリのみに限定することができる。この設定によってカーネル・メモリがスワップ・アウトされないため,動作が高速に保たれる可能性がある。設定するには,DisablePagingExecutiveというDWORD値を作成し,値を1にする。

物理メモリの容量が十分にある場合,入出力に用いるバッファ・サイズを調整するとパフォーマンスが向上する可能性がある。設定するには,IoPageLockLimitというDWORD値を作成し,値を設定したいサイズにする(値はバイト単位)。一般的には4194304(4MB)程度に設定すると良い。

物理メモリをアプリケーション実行用に割り当てる(Standardファイル・システム・キャッシュ)か,優先的にファイル・システムのキャッシュに割り当てる(Largeファイル・システム・キャッシュ)かを選択することができる。規定値はStandardファイル・システム・キャッシュだが,ファイル・アクセスの多い環境ではファイル・システムのキャッシュに確保したほうがパフォーマンスが向上する可能性がある。Largeファイル・システム・キャッシュを使用するように設定するにはLargeSystemCacheというDWORD値を作成し,値を1にする。ただし,Largeファイル・システム・キャッシュではアプリケーション実行用メモリ領域がスワップ・アウトしやすくなるため,用途に合わせて慎重に選択したい。なお,Windows XPではコントロール・パネル→システムのプロパティ→詳細設定タブ→パフォーマンス→設定→詳細設定タブ→メモリ使用量から設定することもできる。プログラムを選択するとStandardファイル・システム・キャッシュが,システム キャッシュを選択するとLargeファイル・システム・キャッシュが設定される。

ダイレクト・マップ方式の2次キャッシュを採用しているプロセッサをもつコンピュータで,HALから2次キャッシュサイズを正しく取得できない場合に参照されるキャッシュ・サイズを設定することができる。設定するには,SecondLevelDataCacheというDWORD値を作成し,値を設定したいサイズにする(値はKB単位)。HALからデータを取得できず,SecondLevelDataCacheが設定されていないか,0に設定されている場合は256KBになる。プロセッサに合わせて,512KB程度に設定すると良い。なお,セット・アソシエイティブ方式の2次キャッシュを採用しているプロセッサを使用している場合は,この設定は適用されない。

クラシック表示に切り替える

Windows XPからエクスプローラのアイコンの表示方法が若干変わり,通常の表示より負荷が高くなっている。従来のクラシック表示に切り替えるには,フォルダ・オプションの全般タブにある従来の Windows フォルダを使うのチェックを入れる。


すべてのファイルとフォルダを表示する

通常エクスプローラでは隠しファイルおよび隠しフォルダを表示しないようになっているが,アイコンを隠すために若干負荷がかかっている。すべてのアイコンを表示するようにするには,フォルダ・オプションの表示タブにあるすべてのファイルとフォルダを表示するのチェックを入れる。


フォルダの表示設定を保存しないようにする

エクスプローラではウィンドウの大きさやアイコンの表示方法などを,各フォルダごとに保存するようになっている。この機能を停止するには,フォルダ・オプションの表示タブにある各フォルダの表示設定を保存するのチェックを外す。

ファイルのアクセス日時の記録を行わない

NTFSではファイルにアクセスすると,その日時を随時記録するため,パフォーマンスの低下を招いている。これを無効化するにはレジストリのキーHKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\FileSystemにNtfsDisableLastAccessUpdateというDWORD値を作成し,値を1にする。


ドライブの自動再生を停止

ドライブにメディアが挿入されると自動的に再生するという機能は,メディアの挿入を常に監視しているため,ハード・ディスク・ドライブと光学ドライブが同じチャンネルにあるとシステム全体のパフォーマンス低下に繋がる。この機能を停止するには,管理ツールのグループポリシーから,コンピューターの構成→管理テンプレート→システムのフォルダを辿り,自動再生機能をオフにするを有効にする。このとき,対象のドライブはすべてのドライブに設定する。

また,この設定はレジストリから詳細に設定することも可能だ。ドライブの種類別に設定を行うには,レジストリのキー HKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies \ExplorerにNoDriveTypeAutoRunというDWORD値を作成し,以下に示す値に変更する。
設定値(16進数) CD-ROMドライブの自動再生 リムーバブル・ドライブの自動再生
91 する
95 する しない
b1 しない する
b5 しない

また,ドライブごとに個別の設定を行うには,レジストリのキーHKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\ExplorerにNoDriveAutoRunというバイナリ値を作成し,適当な値を設定する。この値は,下位ビットから順に各ドライブと対応しており,対応するビットが1のドライブは自動再生が無効化される。

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